書評:10年継続できる士業事務所の経営術 安定運営のための48のポイント

書評ブログ

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  • 自分なりの感想

などを書いています。

 

今回読んだ本

  • 10年継続できる士業事務所の経営術 安定運営のための48のポイント

 

どういう人が読むといいか

  • 士業の資格取得を目指していている人
  • その資格を取得し、開業を考えている人
  • すでに開業している人

など

※「士業」と言われる職業は、

弁護士・司法書士・公認会計士・税理士・社会保険労務士・行政書士などです。

 

読んで得られるもの

  • 士業の各業界の状況が大雑把に把握できたのが良かった
  • 事務所運営にあたり注意すべきことが経験をもとに書かれていて読みやすかった

など

 

読んでわかったこと・ためになったことのメモ

  • 起業してから10年後も存在する会社は、わずか5%程度と言われていて、中でも士業は比較的起業が用意で安定度が高いと言われていたが時代や環境の変化に柔軟に対応していかなければ廃業の危機に直面するようになった
  • その中で安定して継続運営するためのポイント3つ
    • 人に会いに行く(人脈づくり)
    • 「誰に」「何を」提供するのかを明確にする
    • 小さな差別化の積み重ね
  • 助成金申請などは即効性があり売上げに繋がりやすいが一種の麻薬みたいなものなので、長期的な利益を目指す方がよいらしい
  • 帝王学(人間学)には3つの柱がある
    • 王道(原理原則)を教えてもらう師を持つこと
    • 直言してもらう側近を持つこと
    • よき顧問を持つこと
  • 開業を視野に入れて実務経験を積む場合、可能な限り業務を多く任せてくれて適度に忙しい事務所を選ぶとよい(少人数~中規模)
  • 事務所開業時の必要経費
    • 士業の会費
    • 事務所家賃:5万円程度(レンタルオフィス)
    • パソコン・プリンターなど
    • 接待交際費:月1,2万円
    • 交通費・広告宣伝費など
  • 開業後、1年頑張って2年耐え忍び、芽が出ない場合は撤退の勇気も必要
  • 自宅ではなく、事務所を別に借りるメリット
    • 私用と仕事のメリハリがつく
    • 対外的な信用度が増す
    • 士業は機密情報を扱うため、情報管理の徹底が可能になる
    • 来客時に会議室などが使える
    • しっかりした職場環境を提供できるので職員の採用に有利になる
  • 事務所を借りるデメリット
    • 家賃がかかる
    • 通勤時間・通勤費がかかる
  • 紹介が一番手堅い集客方法
  • 最も効果的なのは一つの人脈を深堀して太く深く付き合うこと
  • 会った人から仕事をもらうのではなく、その人の先にあるネットワークを意識すること
  • 行政書士は士業の中でも成功が難しいらしい
  • 顧客を増やすには、それぞれの顧客がどのルートで契約したかを把握し、そこに経営資源を集中投下するとよい
  • お客は立地よりサービスの質や対応を求めていて、事務所の立地は関係ない
  • 名刺交換の交流会は参加する必要なしとのこと
    • 困っている人同士で名刺交換してもあまり意味がないから
  • 事務所運営はバランスが大事で、判例研究ばかりに時間を割いて実務での経験不足にならないよう注意
  • 第一印象で見た目で不快感を与えて「人に気配りができない人」と思われた時点でビジネスチャンスはなくなる
  • 職員を採用したなら、職員が気持ちよく働ける場所を提供するのが所長のつとめ
  • 開業したら、ロータリークラブなどの団体への加入がおすすめ
    • ただし所属することで仕事につながると期待してはダメ
    • あくまで経営者としての自己研鑽の場と考えること
  • 顧客層のターゲットを絞るポイント3つ
    • その業界の簡単な調査をする
    • その業界ですでに展開している他士業と組む
    • まずは1社、その業界の仕事をしノウハウを蓄積する
  • 事務所運営においてサービスの優位性を確立させる戦略3つ
    • サービスの内容(何を提供するのか)
    • サービスの価格(いくらで提供するのか)
    • サービスの提供方法(どうやって提供するのか)
  • 働き方改革は、1987年の労働時間改革(週の労働時間48時間から40時間に変更)、フレックスタイム制の新設に比べるとインパクトの少ない改革だそう
  • 働き方改革のポイント
    • 長時間労働の是正(労働基準法改正)
    • 非正規雇用の処遇改善(同一労働同一賃金)
    • 賃金引上げと労働生産性向上
    • 柔軟な働き方がしやすい環境整備 など
  • 弁理士の人数は増えているが、特許の出願件数は右肩下がりで減っているので、生き残りが難しいと言われているそう

 

読んだ感想

  • 仕事を15分刻みにすると、やらないことが明確になり重要なポイントに集中できると書いてあって集中力の持続が苦手な私にはすごく参考になった
  • 筆者の経験をもとに書かれている内容が多かったので、単にデータや記事などの引用ばかりの書籍に比べ、臨場感があり読みやすかった
  • 開業するには、以下のものが必要だと感じた
    • 人脈づくり
    • 事務所職員としての経験
    • 顧客に対する真摯な対応

 

本の詳細

  • 題名:10年継続できる士業事務所の経営術 安定運営のための48のポイント
  • 著者:金山 驍(かなやま つよし)
  • 発行者:山中 洋二
  • 発行所:合同フォレスト株式会社
  • 印刷所:新灯印刷株式会社
  • 価格:1500円+税
  • ページ数:230ページ

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